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ギボシ端子の加工の仕方
ギボシ端子とは
自動車の電装品を接続するのに使われるのが、ギボシ端子と呼ばれるものです。名前の通り、橋の欄干の装飾として用いられる擬宝珠(ぎぼし)に似ているからギボシ端子となった・・・のかな?
パソコンなんかはマッキントッシュを除くと、ほとんどがPC/AT互換という事実上の規格品になってるんですけど、カーオーディオの配線は、パソコンのPC/AT互換機のような規格の統一はないみたいです。自動車メーカーごとには大体は同じハーネス(配線を束ねたコネクタ)の形状が同じで、純正のカーオーディオなら設置できるようなんですが、これも年式によって形状が異なったりするようです。
そこで、社外品のオーディオ機器などを取り付ける場合には、配線を一つ一つつなげるような作業が必要になることもあるのですが、ここでギボシ端子が出てくるようですね。
自分でカーオーディオを取り付けする人のために、メーカー別にハーネスと呼ばれるものが売られています。これは、純正のオーディオコネクタに挿し込むことで、加工をすることなくカーオーディオに必要な配線を取り出すことができるようになった部品で、多くの場合、配線の先端はギボシ端子で加工してあります。
あとはこのハーネス側のギボシ端子と、オーディオ機器側のギボシ端子をハメ込んでいくだけで、カーオーディオの接続はほぼ完了してしまいます。
加工に必要な工具
ギボシ端子は配線の先端に取り付けて使います。これは手やペンチなどではなく、専用の圧着工具を使って取り付けるようになっています。
圧着工具は電工ペンチなどとも呼ばれます。ここで気をつけたいのが、圧着工具とか電工ペンチというのは、ギボシ端子の加工に使えるものばかりではないということです。
電気工事用の圧着工具はもちろん自動車のギボシ端子加工には使えません。また自動車の電装関係で使われる端子でもギボシ端子以外に、ファストン端子や裸圧着端子などがありますので、こういった端子とは別の端子が必要になります。
ただし、これらの圧着が一つの工具でできるように、圧着部(ダイス)が複数種取り付けられた工具(万能圧着工具)もあります。
圧着工具の価格
圧着工具の価格ですが、それこそピンからキリまであります。
プロの使用にも耐えられるようなものは数千円はします。ラチェット機構といって、確実に圧着できるまでハンドルが戻らないようにする仕組みが備わっており、安定した圧着作業ができるものです。
でも、自分のクルマにカーナビが取り付けたい、といったことであれば、もっと安い圧着工具でもよいと思います。
実際、私が今回の作業のために購入した圧着工具は580円のものでしたが、十分に役割を果たしてくれています。
安物の工具では確実な圧着ができない、という意見もありますが、実際にはダイス部分の形状によってできないものがあるということです。ですから、購入する際には実際に使用している人の意見などを聞きながら、圧着できた実績のある工具を購入するようにすれば問題ないと思います。
ギボシ端子の圧着方法
コードの被覆を剥がす
端子を圧着したいコードの先端の被覆を剥きます。ギボシ端子に二つある端子のうち、先の爪に届くようになればよいので、通常は5mm程度を剥離すればよいと思います。
ただし、コードが細い場合には、確実に端子とコードを圧着できないことがあるので、1cmほど被覆を剥がして、半分に折り曲げた状態で圧着するという方法も一般的なようです。
スリーブをはめる
ギボシ端子は導通する(電気が流れる)部品です。当たり前ですけどね。そのため、端子部分に何か導通のあるものが接触してしまうと、ショートしてしまうことになってしまいます。
そこで、スリーブと呼ばれる端子のカバーをつけて、端子の部分を保護する必要があります。
一般的なカー用品店などでギボシ端子を購入すると、スリーブもセットになって売られていることが多いですので特に迷うことはないと思いますが、オス端子用のスリーブとメス端子用のスリーブがありますので間違えないようにしましょう。
圧着工具を使ってカシメる その1
圧着工具の適切な位置にギボシ端子の最初の爪部分をはめます。
その後、コードの被覆を剥がした部分をギボシ端子の爪部分の下になるような位置まで差し込み、圧着工具のグリップを握ってカシメます。
圧着工具を使ってカシメる その2
最初の爪がカシメられたら、根元に近い方の爪もカシメます。こちらの爪は最初の爪よりも大きめに作られていますので、圧着工具のダイス部分を大きい方に変更して作業します。
こちらはコードの被覆が向けていない部分に喰い込むようにカシメますが、爪が大きい分、最初よりも力が必要になることもありますし、爪の幅が広いため、被覆部分の真ん中に爪が合わないことがありますので、よりゆっくりと丁寧にカシメるようにしましょう。
スリーブを端子に被せる
最初に通しておいたスリーブを端子の根元に引き上げてセットします。
メス端子の場合はすっぽりとスリーブに覆われる形になりますが、オス端子の場合は先端の部分が露出する形になります。
安い圧着工具での作業
爪が左右からきちんとコードの芯線の真ん中に喰い込むようにして固定されるのが正常な状態ですが、安い工具だと、片方の爪にもう一方の爪が重なるようになってしまったり、そもそも爪が曲がらずに丸い状態にしかならないということもあります。
安い工具でも使い方次第できちんとカシメられることもありますので、うまくいかない場合にはゆっくりと丁寧にカシメてみるのもいいかと思います。
高価な圧着工具だと、ラチェット機構がついている上に、ハンドルも力が込めやすい大きめのものだったりして、このあたりが非常にやりやすいということになります。