カーナビの仕組み

位置の把握

GPS

 地球の周りを周回しているたくさんの人工衛星からの電波を受信し、現在地を割り出す仕組み。約30個の衛星が地球を周回しており、日本では本州の開けた地域では常時6個から10個の衛星が受信可能な状態になる。

 カーナビの仕様にもよるが、ポータブルカーナビではGPSを利用して測位を行っている。据付けのカーナビは、GPSによる測位で取り付け直後の自車位置を調べたり、その他の方法(自律航法)での測位の誤差修正のための情報としてGPSからの情報を利用している。

車速センサー

 カーナビ装備車のスピードを情報として取り込むことで、マップ上の自車位置を自動車が進んだ距離だけ移動させるために利用する。
 自動車は車速パルス信号を取り出して自動車のスピードメーターやオドメーターなどを動かしているので、メーター周辺のコードから取り出すことができる車種が多い。

 通常は車軸の回転数に応じたパルス信号が発信されているが、古い自動車や外車などではアナログ信号の場合もある。アナログの車速信号を処理できるカーナビは(純正カーナビをのぞけば)ないので、この場合はタイヤの回転と連動してパルス信号を発生させる装置を別途取り付ける必要がある。

 またタイヤのサイズや空気圧、摩耗の度合いなどの要因により、同じパルス信号でも車体ごとの個体差により実際のスピードが異なるため、一般的なカーナビでは車速センサー情報による測位とGPS情報による測位を突き合わせ、ズレを補正するという学習機能が備わっている。
 よって、カーナビを取り外して別の車両に付け替えた場合、あるいはタイヤを交換した場合(ローテーションも含む)などは、カーナビのメニューから車速センサーの学習をリセットしないと正しい測位ができない、あるいは正しい測位ができるようになるまで時間がかかるといった弊害がある。

 カーナビを取り付けた後はできるだけ一定の速度でまっすぐ走れるような道路を30分ほど走行することで、より正確な測位ができるようになるというのも、車速パルスと速度の関係をより正しく割り出すためという意味もあると思われる。

ジャイロセンサー

 車体の傾きや方向を把握するためのセンサーで、通常はカーナビ本体内に設置されている。
 昔は曲がった方向のみを検出するセンサーだったようですが、最近では傾斜を検出する傾斜型ジャイロセンサーを搭載するカーナビが増えています。傾斜に関する情報は、例えば一般道と高速道路が並走している部分などで、高速道路入り口を登ったのか、一般道を通行しているのかを判断するのに利用されたりする。
 このため、車体が傾いている状態でカーナビを取り付けた場合など、カーナビ内の斜度に関する情報が間違ってセットされてしまい、高速に乗っても一般道の案内が続くといった不具合が生じる場合もある。
 また、ジャイロセンサー自体、あまり傾斜のある状態で取り付けられると正しく動作しない場合がある。このため、車種によってダッシュ内の取り付け角度がきつい場合には取り付けができない、故障の原因になるといったケースがある。

加速度センサー(Gセンサー)

 自動車の加速を検知して、測位に利用する。通常はカーナビ本体内に設置されている。

マップマッチング

 カーナビは、本体内に道路地図を情報として持っていて、そのマップ上に自車位置を表示する装置ですが、自車位置が道路と微妙にずれている場合に、それを測位誤差と判断して道路のある位置に自車マーカーを合わせる機能がマップマッチングと呼ばれる。

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